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名作の条件 [ゲーム]

 夏ごろに買って少しだけ進めたままずーっとほったらかしにしておいたダ・カーポ2を、この土日で集中的に進めてみました。とりあえず、天枷美夏以外のキャラクターはクリア。
 ところで、シナリオはどこかで見たようなコンポーネントで構成されていますね。桜、青春群像、薄れゆく記憶、主人公の存在証明…。ああ、「それは舞い散る桜のように」(BasiL)か。あのシナリオについて、より突っ込んだところを描いて…いや、違うな、より大きな器を用意して描いてみせた、というところ? 実はD.C.1の方をやっていないんで、実際のところ「それ散る」を意識したのか、単にシリーズの伝統なのかはわからないんだけれど。
 それにしても、「D.C.2」にしろ「それ散る」にしろ、カタストロフィからハッピーエンドの間の接続部分が、それまでの過剰なまでの濃密な描写からは考えられないほど超特急で端折られてますね。なんでしょう、この手のシナリオのお約束でしょうか。バランスが悪くて落ち着かないんですが、どうしたものでしょう。
 でも、そこを除けば、描き込まれた世界観はとても優しく、哀しく、温かく、なるほどサーカスというブランドを代表するタイトルなんだなぁと納得させられる出来でした。
 個人的な要望としては、もうちょっと杉並クンが活躍してくれたら面白くなったんじゃないかなぁと。いや、彼のキャラクター、好きだなぁ。カッコ良いんだけど嫌味じゃなくて、頭良いんだけどバカで。
 …はっ! い、いかん、なんでこう最近男キャラばかりに目が向くんだろう。
 えー、そうね、キャラクターでいちばん好きなのはね、白河ななか嬢かなぁ。あんな娘に手を握られた日には、ドキドキしちゃうね!うん(よし、健全だ)。
 特に好きなイベントは、彼女とのクリスマスパーティの時の話。渋っていたミスコンに出場し、壇上で突然の恋の告白。パーティの帰り道に冗談めかして話している時の「冗談だと思う?」。そして、夜空の向こうからしんしんと降り出した真っ白な雪と、それを彩る桜の花。風に揺らめく長い髪とイタズラっぽく綻んだ微笑はどこまでも魅惑的で、降り注ぐ粉雪と桜の花弁が、あたかも蛍の灯火のように彼女を飾り…ああ、何て美しいお話。
 ひとつひとつの構成要素はどれも使い古されたもの。冬に咲く桜はともかく、ミスコンでの告白も、冗談めかした中に忍ばせた真剣な想いも、初々しい2人を祝福するホワイトクリスマスも、みんなどこかの物語で使われたシチュエーション。
 でも大切なのは、無理につくろったオリジナリティではなく、例えありふれた題材であっても、それをどこまで見事に調理できるかということ。物語にとって、本当に必要なのは、「魅せかた」なのだと、私は強く想います。
 そういう意味で、D.C.2の物語やキャラクターの魅せかたはとても素敵だと思う。それには、技術もさることながら作り手の深い愛情が必要で、そういう意味で、この作品はとても愛された物語なのだと、そう思う。
 愛しくて切なく、哀しくて温かく、そしてどこまでも優しい。そんなお話。
 単なる記号としての「萌え」に終わらない、より深い「美しさ」がそこにある。それは、私が愛したToHeart2にも言えること。また、それこそが名作と呼ばれる作品たちの共通事項、あるいは必須事項なのかもしれません。

文:白詰草

2006年11月12日


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